近視手術の後遺症対策研究会~大阪大学付属病院眼科 ・ 前田直之様への公開質問
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公開質問


 大阪大学付属病院眼科 ・ 前田直之様

                     
2009.11.14 近視手術の後遺症対策研究会 代表 岡本隆博
                               http://www.optnet.org/syujyututaisaku/

 前略

 貴眼科学教室のネットサイト(http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/ophthal/www/ 2009.11.14現在)を拝見
 して疑問に感じたことがありますので、ここに謹んで尋ねさせていただます。
 なお、下記において《 》内の文は、貴サイトから原文のまま引用したものです。


 (質問1) 《屈折矯正手術説明会のお知らせ》 としてありまして、そのすぐ下に 《エキシマレーザーに
       よるレーシックPRKなど、近視、乱視の治療に関する説明会を行なっております》 としてあり
       ますが、それは近視などを「治療」する手術なのでしょうか、それとも「矯正」する手術なので
       しょうか。 またその理由について(たとえば、その両者の定義の違いなど)もお聞かせいた
       だければ幸いです。

 (質問2) 《近視、乱視、あるいは遠視といった、そのままの状態(裸眼と言います)で視力が出ない
       状態は屈折異常と呼ばれています。》 としてありますが、 《視力が出ない》 ということの意味が
       一般人にはわかりにくく、視力がいくら以上は出ないというおつもりで、この文を書かれたので
       しょうか。

 (質問3) 上記の質問2の説明は、たとえその「出ない」というのがいくらの視力を意味するものであっ
       ても、やはりおかしいと思います。 なぜなら裸眼視力が1.0以上出る屈折異常眼は多いの
       ですから。 もう少し正しい説明はないのでしょうか。

 (質問4) 《屈折異常は、角膜と水晶体によるレンズの度数と眼球の長さのバランスがくずれて、網膜
       に映し出される像がぼやけて、視力が低下される状態です。》 としてあります。 この 《視力が
       低下される》 という記述は 《視力が低下する》 の書き誤りでしょうが、それはともかく、随意遠
       視や相対遠視では少なくとも遠方の視力は正常ですから、この説明は妥当ではないと思い
       ます。 この説明だと、その種の遠視は屈折異常ではないということになりますが、いかがで
       しょうか。

 (質問5) 《近視は、近くはメガネやコンタクトレンズなしで見えるが、遠くはぼやけて見える状態です。》
       としてありますが、これもおかしいわけで、弱度近視なら1.0程度の視力が出ることが多く、「ぼ
       やけて見える」という自覚がないこともあります。 この説明は雑過ぎるのではないでしょうか。

 (質問6) 《軽度の遠視であれば、遠くも近くも良く見えます。ただし、目が疲れやすくなります。》 として
       ありますが、軽度の遠視で眼精疲労がない人も多いですので、この説明もおかしいのではあり
       ませんか。

 (質問7) 《近視の場合に老眼になると、若い間は眼鏡やコンタクトをすれば、近くも遠くも見えていた
       のが、近くは眼鏡をはずさないと見にくくなります。》 としてありますが、これも不十分な記述で
       「コンタクトをしたままでは近くが見えにくい」ということが抜けているのではありませんか。

 (質問8) 《遠視の場合は、近くと遠くで2種類眼鏡が必要となります。》 としてありますが、貴眼科では
       老視になった遠視眼に対して遠近両用という1種類の眼鏡を処方されることはないのでしょ
       うか。

 (質問9) 《そのため40歳台以降は、近くを見るときには、もともと目が良かった人と同じ様に読書用の
       眼鏡が必要になります。》 としてありますが、貴眼科の近視手術により、40歳以前でレーシッ
       クなどによって遠視になってしまって、近業に眼鏡を必要としておられるかたは、おられない
       のでしょうか。

 (質問10) 《眼鏡の短所は、眼鏡を常に持っている必要がある点です。》 としてありますが、常に装用
        している人(そういう人も多い)の場合に「持っている」という表現はおかしいとは思われませ
        んでしょうか。

 (質問11) 《近視では、物が実際より遠くに小さく見えてしまいます。》 というのは事実に反していまして、
        やや小さく見えて、近くに感じると言う人も多いです。 実際、近視矯正の眼鏡により虚像が
        眼前の有限の位置にできるのですから、ものが近くにあるように感じてもなんら不思議では
        ありません。 どういう根拠で 《実際よりも遠くに》 とされたのでしょうか。

 (質問12) 眼鏡の 《短所》 として 《眼鏡をかけると顔の印象が変わってしまいます。》 としてありますが、
        印象が変わることが必ず短所になるのなら、なぜダテメガネを掛ける人がいるのでしょうか。
        メガネで賢こそうに見えて得をしている人はいないのでしょうか。

 (質問13) コンタクトレンズの 《長所》 として 《美容上も眼鏡より優れています。》 と言い切っておられま
        すが、たとえば、素顔ならたよりなく見えて、メガネをかけると引き締まって見える、というよう
        なかたや、素顔ではシワがいっぱい見えるけれど、メガネならそこそこ隠れるので美容上メガ
        ネの方がベター、というかたも少なくないのではないでしょうか。


 *以下の(質問14~17)は 《屈折矯正手術を受けるための条件》 として挙げられているものについて、
 お尋ねします。

 (質問14) 《近視や乱視が進行していない 》 とのことですが、貴眼科ではそれをどのような方法で判断
        なさるのでしょうか。 現在の眼の度数と、現在使用の眼鏡の度数とその製作時期を調べて
        も、その眼鏡がどの程度の矯正度合いでつくられたのかが不明な以上、進行状況は判断は
        できないと思うのですが。
        たとえば、1年前に作られたメガネの度数が-2Dだとして、それが完全矯正だったのかどう
        かが不明であれば、今の眼が-2.75Dとして、では1年間で眼の度数がどれだけ進んだの
        か? というのは分かりませんよね。

 (質問15) 上記の引用文における「進行していない」というのは、たとえば、1年間での進行度数が0.25
        D未満、などの規準を設定しておられるのでしょうか。

 (質問16) 《眼鏡やコンタクトレンズで困っている》 としてありますが、たとえば、本人が「メガネ顔がイヤ、
        コンタクトは面倒」と言えば、それで「困っている」ことになるのでしょうか。

 (質問17) 《手術前に2-3週間コンタクトレンズを中止できる》 とのことですが、ハードCLの場合、それ
        をやめてから3週間で屈折度数が安定しますか。 たとえば、やめる直前の度数よりも3週間
        たってからの度数の方が近視も乱視も有意に進行していた、という場合は、屈折異常度数の
        安定がないということで手術をせずに、度数の進行が落ち着くまで手術の日を伸ばす、という
        ことはしないのでしょうか。

 (質問18) 貴大学は国立であり、その付属病院の眼科の医療は先進的なものも多く、近視手術もその
        一つなのでしょうが、そういう医療には、治験や臨床試験という性格も多分にあると思います。
        そういう近視手術の結果(予後の後遺症などの実態)は、すべて公表されているのでしょうか。
        すべてまたは一部が公表されているのでしたら、それを我々が見る方法について教えてくだ
        さい。

 (質問19) 上記のことがもし一部しか公表されていないか全く公表されていないのでしたら、その理由に
        ついておたずねいたします。

 (質問20) 貴殿の眼科の近視手術器械の設置には税金が投入されているのでしょうか。 もしそうであ
        れば、それによる手術(いまだに「治験」の域を出ていないでしょう)の結果を細大漏らさず正
        確に詳しく納税者に報告するべきなのではないでしょうか。

        また、たとえ、その設備に税金が使われていなくても、国公立大学の付属病院の場合には、
        民間の病院よりも「国民の公益に資する」という性格を強く持つのですから、やはり、術後の
        後遺症などの詳しいデータは公表されるべきだと思います。

 (質問21) 屈折異常のあるかたの一部には、矯正が必要な斜位があって、それをプリズム矯正すること
        により、眼精疲労が軽減したり、ものがはっきりと見えたり、立体感や遠近感が増すかたがとき
        どきおられます。

        その実際については下記をご覧ください。
                「ユーザー本位の眼鏡処方を推進する会」 http://ggm.jp/ugs/

        それで、近視手術ではプリズム矯正が可能なのでしょうか。

 (質問22) 近視手術のための検査において、貴殿は斜位検査(眼位検査)を、どのような方法でなさっ
        ているのでしょうか。

 (質問23) 近視手術の予後で、患者様に何らかの後遺症が残り、真に満足はされない場合で、それに
        対する貴眼科の措置も効果が少ない場合、貴眼科はどう対応されるのでしょうか。

        例 ・ 遠視になってしまって、メガネかコンタクトがないと近見困難となる場合。
           ・ ハロやグレアで夜に車の運転をするときに困るという場合。
           ・ 以前はドライアイではなかったのに、ドライアイになってしまって、なかなか治癒しない
            場合。

 (質問24) 近視手術の後遺症としてのハロ(光のにじみ、まぶしさ)は、短期間で消失しない人も多く、
        それを訴える人に対して、瞳孔を収縮させる点眼薬を処方する眼科もあるようですが、
        その点眼を長期にわたって続けると、角膜上皮障害、乾性角結膜炎、結膜萎縮などや、
        虹彩の萎縮や、虹彩炎を引き起こす可能性がありますし、
        そこまでいかなかったとしても、将来、白内障手術を受ける際に、長期間、その種の点眼薬
        (塩酸ピロカルピンなど)を使用してきた眼では、瞳孔が不可逆的に収縮・固着していて手術
        が困難になることも、あるそうです。

        貴眼科では、ハロを訴える人に対して、どのように対処をしておられるのでしょうか。

 (質問25) 術後の近視の戻りや乱視の出現などで、再手術を希望された患者さんの施術料金はどの
        ようなシステムなのですか? また、過矯正で再手術を希望された患者さんには、遠視矯正
        の手術をされるのでしょうか?

        その場合、遠視矯正用のためのLASIKは厚労省未認可ですが、どのように対応されるの
        でしょうか?

 (質問26) 同意書は、手術前の検査がすべて終わってから見せられるのでしょうか。 患者様が同意書
        の内容を検討される日数はどれくらい設けておられるのでしょうか。

 (質問27) 術前の説明において患者様に「こういうことも起こり得ます。 ああいうことも有る場合がありま
        す」と言う場合、あるいは文書で示す場合に、それが発症するパーセンテージや、平均的な
        持続期間についても説明をされますか。

 (質問28) 術後のケアーについては、その症状が近視手術に関係のあるものなら保険が利かず、関係
        のないものなら健康保険が利くという原則があるそうですが、患者様にとっては、保険が利く
        かどうかは、経済的負担がずいぶん違います。

        無料サービス期間を過ぎてもなお存在するある症状、あるいは、その期間を過ぎてから出て
        きたある症状が、その人の近視手術に関係があるかどうかの判定基準を、貴眼科では明文
        化して手術の事前に示しておられるのでしょうか。 それとも、もっぱら医師の判断により判定
        されるのでしょうか。

 (質問29) 手術を希望されるような程度の近視眼はほとんどが軸性近視であり、それによる眼底の病的
        変化が、生じていることも往々にしてあるのですが、近視手術ではそれはまったく改善されず、
        もちろんですが、術後に眼軸長が変わらないというデータもあります。

        ですので、近視が起こす網膜裂孔や網膜剥離などの疾患が生じる蓋然性が、近視手術に
        よって減るとは考えられません。

        もし、同じ程度の強度近視で、そのままメガネで暮らした群と、近視手術を受けた群とで、網
        膜裂孔や網膜剥離の発症の比率を比べたら、施術時の操作や、術後の眼圧の測定値の解
        釈が難しくなることから、むしろ、網膜剥離のリスクは上がるはずだと私は考えます。

        なぜなら、施術によって、眼球に無理な力が加わって、ひずみを生じかねないわけで、それ
        が数年後に網膜剥離となって現れることもありえるし、現に術後の短期間のうちに網膜剥離
        を起こした人も居たと、私の知人から聞いています。

        基本的に近視手術というものは、その近視や乱視を放置すると重篤な疾患に陥るとか失明
        の可能性があるとかいうものではなく、いわば、受術者の「よりよいQOLの希望」を元に行わ
        れるものであり、眼疾患を治療するためになされるものではないものですから、相当なリスク
        が見込まれるのに、単に「それを求める人がいるから」ということで、あえてそれを引き受ける
        というのは、医師の本来の使命に反した行為ではないかと私は考えますが、いかがでしょう
        か。




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