[検眼技術] オクルージョン法とは

                             岡本 隆博

眼鏡処方のための眼の検査測定においては、まず、完全矯正値を正確に求めなければならない。

その屈折検査においては、いま、わが国の(世界の)眼科やメガネ店の検査においては、ほとんどの場合に(おそらく9割以上)、

片眼遮蔽屈折検査による乱視の度数や軸度を「眼の実際の乱視の状態」であるということにして、それで得た乱視の度数や軸度の、そのままでメガネの処方度数とすることもあるし、そこから少しアレンジして、メガネの乱視の度数や軸とすることもある。

どちらにしても、片方の眼をフタして測った乱視を基にするのである。

しかし、我々の実際の生活においては、片方の眼を遮蔽しているということは、まずない。 普通は両目を開けて、左右の眼でものを見て生活をしている。

それを「両眼視している」と言うが、両眼視しているときの、右眼の乱視、左眼の乱視は、他方を遮蔽したときと変わりが無いかといえば、それは一概に言えない。

あまり変わらない人が多いのだが、中には違う人もいる。

その実例については、あとで述べる私が書いた新刊書にいくつか載せてあるが、とにかく、メガネはものを両眼で見るときに使うものなのだから、近視や遠視の度数だけでなく、乱視の度数や軸度も両眼でものを融像視している状態で右の乱視や左の乱視を測るのがよいのである。

しかし、そうは言っても、そういう測定をうまく簡単にできる方法がこれまでには、なかなかなかった。

ところが、あとで述べる新しい本で詳しく説明している「オクルージョン法」を実施すれば、よほど初心の測定者でなければ明日からでも、いや、4~5日先になれば、両眼開放屈折検査における、各眼別の一次検査もスムーズに行なうことができ、実際の生活状態における乱視の度数や軸度がわかるのである。

この方法で使う「オクルージョン」は、メガネ業界でほとんどのメガネ店が付き合いのある「名古屋眼鏡」から取り寄せができる。

だから、オクルージョン法をやりたいけれど、できない、ということは、まずないと思う。

なので、この本が発刊されたあとでも、メガネの処方のための検査において両眼開放屈折検査における各眼別の一次検査を実施していない眼科やメガネ店があるとすれば、それは、この本のことを知らないか、あるいは、本の存在を知っていても読んで勉強する気がないか、あるいは、本を読んで一応知識としては得たが実行するほどの熱意が無いか、そのどれかであろう。

両眼開放屈折検査における、各眼別一次検査におけるオクルージョン法についての解説が載った新刊書は下記のとおりである。

岡本隆博著
『眼鏡処方の実際手法』
日本眼鏡教育研究所
http://www.ggm.jp/labo/books.html

投稿日:2020年10月14日 更新日:

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