眼科と「斜位」

レーシック難民の眼鏡講座

7.眼科で「斜位」を指摘されることが少ない理由

斜位は何か問題が発生していない限りは眼科で指摘されることが非常に少ない症例です。その理由は、第一にほぼ大半の人が有する症状であり、しかもその多くが特に支障なく生活できていることが挙げられます。斜位が実際にあったとしても、それが眼精疲労などの体調不良の原因として顕在化しない場合も非常に多いのです。特に強度の近視である場合は、斜位(強度近視の人間には外斜位が多い)があったとしても近視のメガネによるプリズム効果(後述)などにより輻輳が助けられ、問題化しない場合も多数あります(詳細は8章「近視のときはそれほど問題にならない斜位」を参照)。

第二に、2章で触れたように日本の視力検査では遠方視力が出ればそれで「問題無し」とする考え方が圧倒的で、眼科ですらそのような場合が非常に多く、裸眼視力で1.5見えていれば「後は問題ないだろう」と考えそれ以外の検査を進めようとしないところが大半であること。特に両眼視について理解の無い眼科やメガネ店では右と左の視力を別々にとらえるだけで、両眼の相互作用の能力を調べようという発想が希薄です。

レーシックを実施している医院に関しても全く同じことが言えます。筆者も品川近視クリニックで適応検査を受けましたが、手術前も手術後も一切両眼視の検査はありませんでした。周りの難民の人の話も聞いていますが美容外科系は両眼視検査をしないところがほとんどです(もし有れば訂正いたしますのでご連絡ください)。

日本眼科学会のエキシマレーザー矯正手術のガイドラインにも、手術の適応や検査について両眼視や眼位異常という言葉は全く出てきません。

※以下参照  http://www.nichigan.or.jp/member/guideline/laser_new.pdf

※もし「自分が斜位であるかどうか」の検査を受けたいのであれば、眼科に行く前に「眼位以上の検査を受けたいのだがおたくで可能ですか?」と事前に連絡し、そういう眼科を見つけ出してから行かないと、時間とお金を浪費することになります。しかしそのような眼科は実際には少なく、私が以前住んでいた奈良県だと、眼科はいたるところにあるのに、その中で紹介できるのは5件くらいとあるメガネ店のカスタマーサポートから連絡を受けました。

※ちなみに両眼視機能の検査は、眼科よりも、技術にこだわりのあるメガネ屋で実施している確率が高いです。日本眼鏡技術者協会などの公式サイトに載っている認定眼鏡士の店に電話をして、そちらではプリズムの検査は日常やっていますか?と尋ねてみるというのもよいと思います。
https://megane-joa.or.jp/roster/

ただし、レーシック手術後にや老眼の手術などで眼のバランスがこれまでと異なるものに変わった際に、眼位異常が問題として一気に顕在化する場合があります。この場合でも両眼視機能に関心の薄い眼科(もちろんレーシック施術院含む)は眼位の検査を行わない場合が多いです。彼らは目を考える際、単眼ずつ考えてしまいます。それゆえ両眼視機能に問題のある患者がやってきても問題が発見できないのです。

投稿日:2020年9月23日 更新日:

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現在、とても人気の手術となっている眼のレーシック手術に対する警告の内容です。
今回、レーシック手術を当初認可した国の担当官が、現在ではその手術の危険について語り始めています。レーシックの何が危険なのでしょうか?その内容について、当局ABCニュースのエリザベス・レイミーがインタビューを行いました。

「レーシック手術の落とし穴 “2.0なのに
見えない・・・”体験者が語る“過剰矯正”
の恐怖 」

このテレビ番組は、このサイトにも紹介していますレーシック難民オフ会のメンバー9人のかたがたも東京でテレビ局からの取材に協力されて、フジテレビにより製作放映されたもので、医療ジャーナリストの伊藤隼也氏が監修されました。

ちなみにメンバー9人が手術を受けたクリニックは品川近視クリニック5名、神戸クリニック1名、錦糸眼科1名、他眼科2名です。

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