まぶたの病気 

病院情報ファイル2011  医療ユーザー編  まぶたの病気

週刊文春(2011年2月10日号)以下、週刊文春(2011年2月10日号) 102頁より引用

眼瞼(まぶた)の病気には、ものもらいや腫瘍、逆さまつ毛、眼瞼下垂、あるいは薬やコンタクトレンズ装着に伴うトラブルなど様々あるが、この分野の問題に万遍なく対処できる眼科医は必ずしも多くないそうだ。

例えば、ものもらいにしても部位や感染の有無により麦粒腫、霰粒腫、眼瞼炎に分けられるが、この「たかがものもらい」の手術を必要に応じ完璧に行える眼科医が少ないという。
特に、まぶたの病気は眼科の主流ではないことから、それを専門にする医師はさらに少ないらしい。

また、眼瞼下垂には先天性、老人性、コンタクトレンズの影響によるものなどあるが、その治療としての手術は緩んだ上眼瞼挙筋を切除して短くし、キズを隠すため二重まぶたに縫い上げるもので、形成外科の技術やセンスも求められるという。

そして、まぶたに関する問題を改善するなら、総合病院で「眼形成」などの専門外来をもつ眼科を探そう、小児は「小児眼科」でもよく、こども病院などで相談を、と訴えている。

ただ、眼科専門医のうち、日常的にまぶたの手術を行うのは数%で、指導できる教官も少ないのだとか。

特に、大学眼科で中堅の人材が払拭した背景には、薄利多売の近視手術を目指した大手美容外科による中堅眼科医の引き抜き合戦があり、患者紹介によるポイント上乗せなどの割引まで導入しての執刀医と患者の奪い合いが、今も尾を引いているそうだ。

適切なまぶた手術には、割引などに振り回されずに、手術トレーニングを積んだ経験豊富な執刀医のいる眼科や形成外科を慎重に選ぼう、と結んでいる。